メガネは本当に安くなった。
昔は高級品で壊したらメロス以上に激怒されるアイテムだったメガネ。JINSやZoffを始めとする格安メガネ店には感謝しかない。
私の目は近視、遠視、乱視、斜視と目にまつわる不具合を大体兼ね備えている。斜視については幼少期、4度ほど手術したが治らず大人になり一念発起してテリー伊藤も直してもらったという有名病院に行ったところ、手術しすぎて過去のカルテがなければ手術をすることはできないと実質上のお断りを頂戴した。
ちなみに病院におけるカルテの保存期間は診療が完了した期間から5年間。かれこれ手術から20 年以上経っているので残っているわけがないのだ。
そんな私の斜視を少しでもよくするにはメガネの着用で矯正していくしかなく、最近は視力も芳しくない私にはメガネが必要不可欠なのである。
なのでJINSさんにはかれこれ10年はお世話になっている。JINSという格安のメガネ屋さんが遂に地元にもできた!と聞いたときはワクワクして母と買いに行った。なお、わたしの両親はとても目が良く、兄弟も全員良い。私だけが目が悪いのだが、視力がいい母は老眼がひどい。目が良いひとほど老眼酷いらしいので視力というものは、わからないものである。
はてさて、JINSにはたくさんの眼鏡があった。しかも安い。一万円あればお釣りが来ちゃう。
私は事前に眼科で貰った処方箋を握りしめ、当時流行っていた大きめ黒縁メガネなんかをチョイスして意気揚々とレジに向かった。もう買う気満々で。
だがしかし、店員さんは私の処方箋をみるなり、「このフレームだと作れないですね…」と無慈悲な言葉を私に投げかけた。
私は内斜視気味で瞳が真ん中に寄っている、かつ斜視矯正と極度の乱視なのでレンズが特殊で選べるフレームがほとんどなかった。
結局たくさんあるフレームのほんの一部しか選択肢がなく心底悲しかった。おまけに、レンズの取り寄せもあるため、受け渡しには数日かかると言われた。
ほんとに悲しくて、私にとってメガネはおしゃれアイテムではなく、視力を安定させ斜視を矯正するためだけのツールなんだと思った。
その後も何度かJINSでメガネを買ったが、大体いつも似たりよったりなものを選ぶ他なかった。
どのフレームでも大丈夫ですよ 2019
そんな私が、つい一昨日使ってた眼鏡の耳のところが摩耗してきたので買い替えに行ってきた。
いつもどおり使ってる眼鏡を渡すと店員さんがレンズをさくさくーと見てくれレンズの指定の紙みたいなのをくれる。それを手に持ちながら売場で眼鏡を見つつ、あーこれ私のレンズいけるのかなー?と思い近くにいた店員さんに尋ねた。
「このフレームで、このレンズいけます?」
すると、店員さんは手元のスマホで何か調べ始め驚愕の一言を発した。
「あ、このレンズなら基本どのフレームもいけますよ」
どのフレームでもいけますよ?
私はここ10年JINSでしか眼鏡をつくっておらず、作る際は必ずこのフレームでいけるかどうか尋ねてきた。時には、絶対ムリだと思われるフレームなのに店員さんは作れる!と言い張りお願いしたら2日後にやっぱりダメでした!などと電話してきて早急にメガネが欲しかった私を失望させ、泣く泣くZoffに駆け込んだら「あーうちではこのレンズは無理ですね」と言われ心底落ち込んだりもした。
そのJINSがガチでマジで企業努力して、様々なニーズにおけるメガネに対応し始めてるとしたら、本当に凄いことだなぁと思った。
と同時にこういうことって、あんまり宣伝されないしPRの費用対効果とか考えると優先度下がってしまうんだろうなぁと思った。
世の中的にはブルーライトカットだの、ハヅキルーペだの、だーいすきだの、キャッチーなキラワードがひしめき、ケン・ワタナベだの、菊川玲だのが華やかに宣伝しているけど、こういう小さな変化に大喜びしてるマイノリティもいるんだよ!と思い久々にブログを書いてみた。
ありがとうJINS。
これからも愛用させて頂きます。
きっと、ウェブアクセシビリティとかも優先度下がりがちだけど、こうやって心待ちにしている人がいるんだから、やれ〇〇のキーワードで1位だの(無意味なコンテンツ量産して流入増やす方の)コンテンツマーケだの言ってないで利用者に向き合うべきですよね。