その時、私は疲れてた。
旦那の髪を切るためにに美容室で待ち、ご飯を食べて、炊飯器を買う。たったこれだけの工程もチョロチョロと動き回る息子と一緒だと、本当に疲れるのだ。
一歳半でこれってことは、今後さらなるグレードアップが推測される。我が家は子ども用ハーネスを導入する必要がありそうだ。
ヨドバシにて色んな店員さんに炊飯器の機能の違いをヒヤリングしてる旦那氏をよそに広い店内に大興奮の息子。クリスマスの浮かれたムードが気持ちをさらに高揚させてるのか、店内のクリスマス飾りを一通りチェックしてる。「ヨシ!」。
ゆえに、クッタクタだった。夜ご飯もなんやかんやで私の膝の上。遊び食べを制しつつ自分のご飯をかきこまなければならず、味の宝石箱だったのかなんだったのか分からない。たぶん、割と良さげな親子丼だった。メニューの写真は覚えてるのに実際の映像が出てないのはスマホで記録すればいいやという甘えた気持ちか、はたまた私のメモリが足りないのか。
でも、その日から息子がママ!って言えるようになったからなんやかんやで私も甘々なのだ。かわいい息子。私の人生において不動の推し。元気に健やかに育ってるなら、疲れなんて…いや疲れには勝てない。我、働くママ。ワーママなのだから。
だから、帰りの車に乗ったとき、まじで疲れてましてね。息子、10キロ超えたんすよ。でもパパじゃなくてママがいいなんて言うもんだから、推しがそう言うなら仕方ねー!ってなるし。足もパンパンだったんすよ。10キロ抱えて歩いて〜階段上がって〜なんてやってるわけですから。亀仙人の修行で背負った甲羅の二分の一の重さを持ち歩いてるんですよ。天下一武道会出るわけでもないのに。
さらには乾燥してるから、喉もカラカラで。
だから、駐車場に近づいたとき、自販機があったので飲み物を飲みたい…って旦那に訴えたんです。でも、無情にも「炊飯器あるから、後でね」と後回し…。まぁ、雨も降ってたしね、炊飯器も一升炊けるデカイやつ買ったからね。重いよね。うんうん…うん。
きっと飲み物は帰りコンビニでってなるけど、ここらへんのコンビニ、駐車場ないから、きっと家の近くのコンビニになるんだろうなー喉乾いたなー。
なお、車に乗り込むと息子は大好きなミニオンを後部座席で見て爆笑してました。何回見ても同じとこで笑ってて子供の笑いのツボわからん。
さて、車も動き出し、降り止まない雨を見つつ結局雪になんかならないやんけーなんて思ってたら、駐車場を出てすぐ車を停める旦那氏。
「午後ティーでいいかな?」
と一言聞き
「え?うん」
というと、雨の中走って自販機まで。
先ほどに自販機で颯爽と飲み物を買ってきてくれたのです。それだけでも、男前さを見せつけたのに、差し出したのはクラフトボス。
曰く、
「午後ティーなかったから」
私、ここに感動してね。このとき、疲れすぎて午後ティーなかったときの次点について言わなかったんよ。もうなんでもいいや、と。でも、できればコーヒーがいいな、と。でも缶コーヒー好きじゃないからクラフトボスがいいな、と。
これが私のお母さんだったら、別の紅茶を買ってくる。まぁ、紅茶好きだしね。でも午後ティー以外の紅茶って、ジュース系か人工甘味料味に二分されると思ってて、私的には紅茶じゃないと思ってるのよね。特に人工甘味料の味が嫌いだから後者だったときは内心「ちっ人工甘味料か」と思ってるわけですよ。
だから、クラフトボスを差し出されたときときめきましたね。こんまりを軽く超えるくらい。
かれこれ10年弱、一緒の時を過ごしてる旦那。
気がつけば私の母より私の好みを知ってるんだなぁとしみじみ思ったと同時に、嬉しさと少しの寂しさを感じたのでした。