高校生の頃、BUMP OF CHICKENを始めとしたJ-ROCKにドはまりしていた。
最推しはBUMP OF CHICKEN。中学生から好きだったのはアジカンだった。前前前世で一世を風靡したRADWIMPSも大好きで、ふたりごと、有心論、いいんですか?はカラオケで鉄板だった。
一番音楽にどっぷり漬かっていたと思うし、イベントにも赴いていた。深夜バスで大阪遠征いったり、BUMPのsuper novaのPV 撮影参加に当選したときは嬉しくて本当に泣きそうだったなぁ。
くじ運だけは、そこそこにあるのかもしれない。
とはいえ、高校生の経済力なんてたかが知れている。松屋、時給850円の時代にデフォルト月に8万円、頑張って10万円ほどの稼ぎ。
ケータイ代、お昼代も考えると割とあっという間になくなる。
だから専ら、無料で見れる観覧的なイベントで好きなバンドが出そうなものを探していた。お金はないけど時間と体力はあるので、それらを追うだけでも割りと忙しかった。
そして、そこで度々頻度高く出会うアーティストがKREVAだった。私は彼の生歌をめちゃくちゃ聴いてる。なんなら、名曲『ひとりじゃないのよ』をsonomiと歌ってるバージョンまで聴いてる。
当時の私は、イベントに行けばKREVAがいるくらいKREVAの生歌を聴いていた。
もはや、当たり前にいすぎて「あ、KREVAだ」という、近くに住む親戚に会うくらいの感覚。
当時大好きだったBUMP OF CHICKENよりKREVAのほうが出会ってる回数多いくらいだった。
なんてことをね、この年になって、振り返ると恐らくKREVAのソロデビュー時期と私がBUMP OF CHICKEN好きだった時期がたまたま被ってたんやろな〜って気持ちだったんですよ。
そんな現在の私は、立派な椎名林檎ファンをやってる。生まれてはじめてファンクラブにはいった。今年で5年目くらい。
ガチ勢とは思わないけど、生きる糧にしてるし、行けるライブは全部行きたい。
そんな大好きな尊敬してやまない椎名林檎のライブに先日参加してきた。感想は『最高』としか言いようがないし早くライブ映像を買わせてほしい気持ちだ。
かれこれ今年で35になる私だが、数々のライブに参加してきて、一つの最適解にたどり着いた。ライブは一人参加こそ志向なのではないか、と。
友達と行くのも楽しいが、たった一つのライブに一人でコンディションを整え、挑む。
セトリは見ない。事前情報も注意事項しか読まない。
結果的にその仮説は当たっていた。余計な情報がないことで、自分の中に湧き上がる感情と向き合え、響き渡る音楽に身を委ねることができた。
改めて今後、ライブに参加する初回は必ず一人で参加しようと誓った。
最高のライブ、神奈川県民ホールからの帰路、もはや誰かの話し声、それがたとえ同じく参加したOTK たちの感想だったとしても耳に入れたくなくて、多くの人が日本大通り駅を目指す中、私は足早に関内駅に向かった。横浜スタジアムを突き抜けずぐるりと周るルートを選び余韻に浸る。もういっそ帰宅しないでこのまま関内のビジホに泊まり、今の余韻を一晩中抱きしめて眠りたいとさえ思った。
そんなとき、ふと聞こえてきた懐かしいあの声…この声は
「あ、KREVAだ」
ハマスタから聴こえる歌声。
時代が変わり好きなアーティストが変わっても気づくと私のそばにいる。
ひとりじゃないのよ、と言われているようだと思った。